仕事を知る

内航タンカーの仕事
内航タンカーは、日本全国に石油製品などを届ける重要な物流インフラです。
私たちの暮らしに欠かせないエネルギーを、船で安全・確実に輸送する使命ある仕事です。船の運航は、航海士・機関士・甲板部など多くの職種が連携して成り立っています。
若いうちから責任ある役割を任されることも多く、自分の成長を実感しやすい環境です。また、仲間と協力して1つの船を動かす一体感は、陸上の仕事ではなかなか味わえません。将来を見据えて専門スキルを身につけたい方、社会に役立つ仕事に就きたい方にとって、内航タンカーは魅力的な選択肢です。
仕事の作業風景
「仕事」と言っても、当直、荷役、整備作業、主機補機のメンテナンス、掃除、ペンキ塗り、監視、勉強、道具作りなどなどいろいろなことを船の中では分担して行います。
油タンカー積荷役について
陸上の施設と船の配管を繋いで、荷物を積んだり、降ろしたりするのが荷役(にやく)です。油が漏れないよう、混ざらないよう注意しながら安全第一に作業を進めていきます。
赤いヘルメットをかぶっているのが荷役責任者の一等航海士で、荷役作業が終わればすぐに出港し、次の港に向けて航海します。
油タンカーの積荷役(つみにやく)は、石油などの液体を安全に積み下ろすための重要な作業です。船と陸の設備を接続し、複雑な配管やバルブを操作して、繊細かつ正確に荷役を行います。
経験や知識が求められる場面もありますが、先輩の丁寧な指導とマニュアルがあるため、未経験からでも安心してスタートできます。この作業は、単なる力仕事ではなく、高度な判断力と集中力が問われる“プロの現場”です。船の安全運航を支える責任感と達成感が味わえる、やりがいのあるポジションです。
機関士について
機関士は、船のエンジンや発電機、冷却装置などの機械全般を管理・整備する専門職です。トラブルがあった際はすぐに対応し、船の“動力”を守る大切な役割を担います。
新人のうちは点検や清掃といった基本作業からスタートし、経験を積むことで国家資格「海技士」の取得を目指せます。技術力を磨いてキャリアアップできる環境が整っており、手に職をつけたい方には理想的です。「機械が好き」「安定した技術職に就きたい」という方に、機関士はとてもおすすめです。
機関部について
機関部は、船の心臓ともいえるエンジン・発電機・ポンプなどの動力設備を管理する部署です。船内のすべての“動く仕組み”を支えており、航海中の安全や快適な生活環境を守る大きな役割を担っています。
業務はチームで協力して行うため、コミュニケーション力も大切です。常に設備をチェックし、万が一のトラブルにもすばやく対応する必要があるため、冷静な判断力と責任感が養われます。機械いじりや理系的な思考が得意な方にとって、成長できるフィールドです。
甲板部について
甲板部では、航海のサポートや荷役作業、船体のメンテナンスなど、多岐にわたる仕事を担当します。航海士の補助業務から始まり、経験を積むことで航海士の資格取得も目指せます。
屋外での作業が多く、体力とチームワークが求められる一方で、海や空を間近に感じられるダイナミックな仕事です。港に寄港するたびに変わる風景や、自然の中で働く心地よさも魅力のひとつ。「身体を動かすのが好き」「スケールの大きな仕事がしたい」という方におすすめの職種です。
乗船時に持って行ったほうが良いものリスト
乗船時に必要な持ち物は季節や航路によって多少変わりますが、事前に準備しておくと安心です。 船内でも必要なものは都度購入できますが、初乗船時は特に下記を参考に忘れ物がないようご注意ください!
絶対に忘れてはいけないもの
- ✔船員手帳
- ✔海技免状(保有者は必須)
- ✔無線技士や小型船舶免状など(保有者のみ)
- ✔保険資格確認証、マイナンバーカード
- ✔移動時に困らない程度のお金
- ✔会社作業着(初乗船時は船にあります)
自身の向上のために
- ✔メモ帳・筆記用具
- ✔PCもしくはタブレット・充電器
生活用品
- ✔バスタオル・フェイスタオル(複数枚)
- ✔下着・靴下・部屋着・Tシャツ
- ✔汚れてもいい作業着(会社支給品は別途あり)
- ✔部屋サンダル
- ✔仮バース時の洋服(オシャレ着も一応)
- ✔薬(普段飲んでいるものなど)
- ✔洗濯ネット
- ✔シャンプーセット(こだわりがあれば)
季節品・あると便利なもの
- ✔エアリズムやヒートテック(季節に応じて)
- ✔ネックウォーマー
- ✔日焼け止め
- ✔ハンディファン
※ 必要に応じて追加・調整してください。船内生活が快適になるよう、事前準備をおすすめします!